激動の勧誘週間を終えて - うえの
2018/04/24 (Tue) 23:31:36
「長くない?」
地稽古中をしていた僕と甲田はつばぜりの時に顔を見合わせ、互いに言った。
やはり甲田も思っていたか。
この日の地稽古は3分で時間を区切ったものにしていたのだが、明らかにもう5分は経過していた。
タイムキーパーをしていた中尾を見ると、話に夢中になってストップウォッチを全くウォッチしていない。にやけすぎではないかい?
田中先輩も長いと思ったらしく、中尾に詰め寄る。そこでようやく気づいたようだ。
「ご、ごめんなさい」
まあ、無理もないか。この男苦しい剣道場に看護の女子が3人も来ているのだ。
話に花が咲いて時間を忘れるなんて実に後輩としてかわいいことじゃないか。
というわけで、良いかかり稽古の口実ができた。
この日は看護の1年生3人が道場に見学に来てくれたのだ。

激動の勧誘週間を終え、通常稽古ができるようになった。
もっとも、今週は文化部の勧誘週間でもあるので、文化部の篠﨑と魚本、冷蔵庫がカビて買い替えることになった安孫子が不在となってしまったが。
人数も少ないし、1週間ぶりの稽古だし、少し緩めに
してもよかったのだが、今日も切り返しフェスを少しだけやることにした。
10から始め、20,30,40,50回やった後、面の切り返しを50,40,30,20,10回行った。
計300回なのでまぁ、きっとみんな許してくれるだろう。
面の切り返しで面布団を捕らえる感覚を体に覚えさせた状態のまま、普通の面打ちを行った。
せっかく300回も切り返しをしたのだから、少しでもそれを実際の面打ちに活かしてほしいと思ったからだ。

その後は1年生と食事に行く時間も考慮し、申し合わせ、地稽古を手短に終わらせ、いつもより30分早く稽古を切り上げた。
1週間ぶりの稽古となり、予想していたよりも僕自身の動きが悪くなっていたように感じた。
悪癖も顕著に表れていたように感じる。
1か月近く対外戦がない時期に差し掛かるため、癖を矯正したり、新しい技を考えたりができる期間だと思うので、自分の剣道を客観的に捉えて取り組んでいきたいと思っている。

先述したが、今日は看護の1年生が3人道場に見学に来てくれた。
3人は先週の水曜日の勧誘にも来てくれていた。今日の稽古を、「見学に行きたいです」と連絡をもらった時は非常に嬉しかった。
1人は写真が好きらしい。万が一入部したらあ田中先輩の後継者として部員のかっこいい写真を撮ってもらおう。
1人は華道をしていたらしい。万が一入部したらドライフラワーと化した榊を蘇らせてもらおう。
1人は高校時代に強豪校で剣道をしていたバリバリの経験者だった。しかも日記の読者らしい。ありがたや…。
勧誘期間に体験稽古という形で一緒に稽古をさせてもらったのだが、うちの部員には少ない、綺麗な剣道をするタイプの人だった。
僕は基本技を受けただけで地稽古などはできなかったので、もし次の機会があれば、今度対戦することを楽しみにしている。ちなみに、その旨を伝えたところ、「突き狙います」と言われてしまった。また、「どっちが先に突きを取るか勝負しましょう」とも言われてしまった。どうやら彼女はうちをフェンシング部と勘違いしているらしい。
彼女をはじめとする、来てくれた3人には、剣道部に入部するしないに関わらず、最後の学生生活を楽しめるような環境に身を置いてくれたらと願っている。


勧誘期間には計20人近くの1年生が来てくれたが、果たして何人が仮入部期間にうちの部に来てくれるだろうか。主将として、楽しみでもあり不安でもある。
ただ、剣道部のアットホームな雰囲気を伝えることには成功したと思うので、この感じがいいなと思ってくれる人が1人でも多くいたら嬉しいなと思う。















勧誘期間中の一コマ。
甲田「1年女子とは入部するまで話さない方がいいよ上野は」
上野「あぁ、女子が僕の魅力に取りつかれて緊張し」
甲田「ほんときもい」
上野「はいごめんなさい」
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